前職ではデビュー以来ずっと羊毛とおはなの関西~中四国方面のライブ制作をさせてもらってました。毎年1週間ほど西に遊びに来る年下の親戚たち。羊毛とおはなの二人は、僕にとってそんな感じの存在でした。
2008年1月岡山ではじめてに会ったときは、挨拶もそこそこにいきなり僕が音響のモニター設置して音の調整に乗り出したもんだから、はなちゃんは最初の3日間ほど僕のことを音響担当の人だと思い込んでいたようです。でもそのおかげで、ライブの音づくりに関しては信頼してくれたみたいで、後々のライブ仕事がやりやすくなりました。
実は、はなちゃんは他の歌い手さんとくらべて極端にリバーブ(一般的にはエコー)を欲しがる人で、正直ライブ音的にはNGなくらい極端だったんです。
でも僕の音のジャッジは信頼してくれてたので、毎回こっそりはなちゃん用のモニターにだけ納得するまでリバーブかけて、お客さん用のスピーカーでは違う音(通常の音)を出してました。
はなちゃんはいつもリバーブがたっぷり効いたモニターで気もちようく歌ってはりました(笑)
ゴメンね。。。
そんな感じで毎年ツアーだワンマンだと本当にたくさんのライブをしに来てくれて、その都度ぼくはステージ袖やPA卓から彼らの成長を見守っていました。
そして2013年8月、僕の企画ではなく他のイベントで神戸に来てたふたりをお客として訪問。
関西で初めての客席で聴く羊毛とおはなのライブでした。普段は演奏時以外のふたりの写真を撮ることなんてほとんどなかったのに、帰る間際にこの時だけは撮ってたんですね。ファンそのものの気分で。
まさかこの写真を撮ったときがはなちゃんとの最後の瞬間になるなんて思ってもみなかった。
天国ってもともとリバーブがたっぷり効いてそうな場所(勝手なイメージですが…)だから、はなちゃんは変わらず気もちようく歌ってるんだろうな、って思ったりします。
僕はというと、羊毛とおはなの曲を聴く度に今でもPAミキサーの「Reverb」って文字が頭に浮んでしまうのです(笑)
北村泰広 TSUTAYA枚方駅前本店